どんな場所でも学びは得られる

仕事人生において、時には不本意な環境で働かざるをえないことがあります。意に沿わない部署への配属を命じられたり、気が乗らない業務を任されたりして、「自分の経歴や実績なら、ほかに能力を活かせる場所があるはずだ」と不満に思うこともあるでしょう。

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しかし、最初は自分にふさわしくないと思えた環境も、考え方次第で、仕事のやりがいや喜びを得られる場所に変わる可能性があります。そのことを教えてくれるのが、医療小説の傑作とされる山本周五郎やまもとしゅうごろうの『赤ひげ診療たん』です。黒澤明くろさわあきら監督・三船敏郎みふねとしろう主演の映画『赤ひげ』の原作としても知られています。

物語は保本登やすもとのぼるという名の青年が、江戸の小石川養生所ようじょうしょに呼び出される場面から始まります。彼は3年間の長崎遊学を終えたばかりで、江戸に戻った後は、知人の推薦で徳川幕府が召し抱える御目見医おめみえいになれるはずでした。ところが養生所の医長である“赤髯あかひげ”こと新出去定にいできょじょうは、登にこう言い渡します。

(構成=塚田有香 撮影=川しまゆうこ イラストレーション=米山夏子)

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