米国では「ノスタルジック」 日本と異なる広告イメージ
ロサンゼルスでマーケターとして24年間、広告代理店を経営してきた私の目には、大谷翔平選手が単なる野球選手としてではない、他に類を見ない存在として映っています。彼がなぜ、広告界においても野球選手としても世界一の座を獲得できたのか、その深層をマーケティングの視点から掘り下げていきたいと思います。
まず、彼の揺るぎない「史上初」の偉業が、彼のブランド価値の基盤にあることは言うまでもありません。ロサンゼルス・エンゼルス時代の2022年には、MLB史上初めて1シーズンで規定投球回と規定打席の両方をクリアし、投手として10勝以上、打者として30本塁打以上を同時に達成した初の選手となりました。21年と23年にはア・リーグMVPを全会一致で受賞。さらにロサンゼルス・ドジャースに移籍した24年シーズンでは、MLB史上初の「50本塁打・50盗塁」を達成し、ナ・リーグの本塁打王と打点王の2冠を獲得しました。ア・ナ両リーグでのMVP受賞はフランク・ロビンソン以来2人目、異なるリーグでの2年連続受賞は史上初であり、指名打者(DH)専任での受賞も史上初の快挙でした。これらの圧倒的な実績は、彼の持つ「唯一無二」の価値を世界に知らしめました。
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(構成=鈴木聖也)


