高校野球で「9回制」から「7回制」への移行が議論されている。スポーツライターの広尾晃さんは「すでに中学軟式野球、硬式野球各団体、学童野球などはすべて7回制かそれ以下になっている。7回制になったことで中学生が高校に上がって違和感を抱くことはない」という――。(第3回)

※本稿は、広尾晃『高野連』(新潮新書)の一部を再編集したものです。

日本高野連が開いた、7イニング制についての第2回意見交換会=2026年6月6日、大阪市
写真=共同通信社
日本高野連が開いた、7イニング制についての第2回意見交換会=2026年6月6日、大阪市

球数は減っていても投手の負担は増えている

現在、高校野球を「9回制」から「7回制」にしようとの議論が進んでいるが、これには3つの側面がある。

1つは「暑さ対策」。夏の甲子園では2部制が導入されているが、「9回制」のままで1日4試合を消化するのは厳しくなっている。かつて「高校野球は2時間でゲームセット」と言われたが、クーリングタイムや給水時間をこまめにとる夏季の試合はむしろ試合時間が伸びる傾向にある。

次に「選手の負担軽減」。「7日間500球」という球数制限によって高校野球は分業が進み、1人の投手が投げる球数は減少している。しかし近年、投手の球速が大幅に上がり、投手の肩ひじへの負担は大きくなっている。

2024年12月に東北福祉大で行われた「日本野球学会第2回大会」のシンポジウム「投球障害予防―現場発の最新知見」では、中部大学教授の宮下浩二(スポーツ外傷・障害・バイオメカニクス)らが、球速(投球強度)の上昇と、変化球の多用によって、投手の肩ひじへの負荷は大きくなり、故障のリスクが高まっていると発表した。