投手の肩ひじを守る義務

高校生世代でも「球数制限」に加え「イニング削減」によって投手の肩ひじを守る必要性が高まっているのだ。

そして最後に「世界の趨勢すうせい」。高校生以下の「9回制」を堅持しているのは日本、メキシコ、パナマなど。アメリカ、韓国、台湾、ベネズエラなどは「7回制」になっている。WBSC U-18ワールドカップも2022年の大会から「7回制」になった。「7回制」への移行は世界的な趨勢と言っても良い。

日本高野連は2025年6月30日、「7イニング制に関するアンケート調査実施について」という文書を発表した。この発表によると、7回制の実施を検討する背景として、以下の「問題意識」が整理されている(一部省略)。

高野連が見せた危機感

(1)加盟校間で部員数の差が顕著になり部員不足による連合チームも増加している中、高校野球の今後、10年、20年後の更なる発展を見据えて今何に取り組まなければならないかを考える必要がある。

(2)全国大会ならびに都道府県大会を今後どのようにして運営していくのかを考えていかなければならない。

(3)日本学生野球憲章ならびにスポーツ基本法を念頭にして、成長期である部員が、安全に安心して野球に取り組むための対策を講じていく必要がある。

(4)社会全体で夏季の熱中症リスクが叫ばれる中、夏季に大会を開催することが高校野球関係者以外からどのように映るのかを認識、自覚する必要がある。

(5)普段の練習や公式戦開催に伴い、選手・部員・応援生徒・指導者・審判員・観客などの方々に重大事故が発生してから、あるいは国や自治体からの指示を受けてから議論をスタートするのではなく、高校野球関係者が自主自律の姿勢で議論していかなければならない。

(6)今後も国内の人口減少が見込まれ、更なる気候変動が予想され、暑さもより厳しくなると見込まれる中で「何も対策を講じない」ままでよいのかという危機感を持つべきである。

(7)7イニング制を考察するうえでは熱中症対策は重要なテーマだが、数ある課題の一つである。一方で、熱中症対策は差し迫った喫緊の課題である。