運動習慣が透析患者の寿命を左右する
腎不全が末期まで進行し、人工透析を受けるようになった人にも、適度な運動は大切な習慣です。アメリカで行われた人工透析の患者さん2837名を対象とした研究では、運動習慣があるグループは、習慣がないグループと比べて死亡リスクが明らかに低くなりました。運動の有無が、寿命に大きくかかわってくるのです。
人工透析を受けている人は、同年代の健常者と比べて筋力や体力が段違いに落ち込んでいます。人工透析は週に3日、1回あたり4〜6時間もかかり、終わったあとも疲労感が強く残るために、気力もそがれて体も弱りがちなのです。
腎臓リハビリテーションでは、透析時間の前半に、仰向けのまま使える下肢エルゴメーター(下肢でペダルを漕ぐ透析患者用の運動機器)で運動に取り組みます。その効果として、何よりもまず筋力や体力がつくことが挙げられます。わが国では2022年から診療報酬も認められました。
血流が改善することで透析が効率よく進むのも大きなメリットです。患者さんにかかる負担が軽くなり、透析終了後の疲労感も和らぎます。長い時間じっとしているストレスから解き放たれることも見逃せません。
ひと昔前まで、透析を始めた患者さんが短期間で痩せ細っていくことは珍しくありませんでした。腎臓リハビリテーションは、この状況を一変させたのです。手持ち無沙汰な時間が有意義な時間になり、筋肉や体力の衰えを防いで活力までもたらしてくれます。透析をすると「元気になる」という患者さんもいるほどです。



