ローソンの「実験」

これまでスーパーは生鮮品、惣菜などの加工、製造、パック詰めなどを、鮮度を優先して各店舗のバックヤードで行っていたが、人件費高騰、人手不足の進行で集中加工センター(プロセスセンター、セントラルキッチン等)を活用しなければ、採算が合わなくなってきた。このため、今後は集中加工センターを投資する余力がない、もしくは投資効果のある事業規模がないスーパーは淘汰される可能性が高い。こうした事情もあり、スーパーは大手による寡占化が急速に進むことになるだろう。そしてスーパーが撤退した中小商圏が大量に発生し、そこがコンビニの出店適地となるのである。

ローソンはその跡地に出店して地元と協力して、生鮮品も供給するコンビニを維持できないか、と数多く実験している(経済産業省「第2回 地域生活維持政策小委員会」での「資料2 ローソンの取り組み」に詳しい)。地元有志や地元スーパーが生鮮品売場を維持しつつ、生活必需品の大半を供給できるコンビニにローカライズするのである。この実験は概ね順調な成果を上げているらしく、様々な地域ごとの加盟店スタイルが成立しているらしい。そこは、スーパーが再投資することはなく、まさに「閉鎖商圏」だったのだ。

人口減少を前提としたコンビニのあり方

こうした商圏は、実験のため地方や過疎地から始めているが、同様のニーズが特に大都市部の周辺に数多く存在していることは、食料アクセス問題(農水省)といわれる課題の調査結果などから明らかになっている(図表2)。

例えば、2026年6月、ローソンはKDDIとともに、大阪府池田市、H2Oリテイリングと連携して、ハッピーローソンタウン構想の第1号店「ハッピーローソンタウン池田伏尾台店」をオープンした。買い場の維持、交流の場の創出などを目指したまちづくりを行い、ローソンの店にH2Oリテイリングのスーパーが生鮮、惣菜を供給するといった店となっている。これも地域創生コンビニと共通した、人口減少を前提としたこれからの社会に合わせた新たなコンビニのあり方といえよう。