定年後は純度の高い「やりがい」を得られる
ロバート・H・フランクの『幸せとお金の経済学』(フォレスト出版)では、こんな話が出てきます。
所得や物的な豊かさ、社会的地位のような「地位財」は、たしかに幸福感をもたらす。でも、その幸福感は長続きしない。一方で、健康ややりがい、心の充実、自由といった「非地位財」は、持続的な幸福につながる。お金があることは大切です。部長という肩書きも、現役時代は誇らしいでしょう。でも、退職すれば肩書きは消えます。
地位は過去になります。それに対して、「ありがとう」と言われた記憶や、人とのつながりから得られる満足感は、意外と長く心に残る。定年後は、たとえ小さな仕事でもいい。人と接し、感謝される。その積み重ねが、じわじわと幸福度を上げていきます。しかも、その幸福感はしっかり持続します。
これは、現役時代のデスクワークやバックオフィス業務とは、まったく違う充実感かもしれません。給料は下がるかもしれない。肩書きもなくなるかもしれない。でも、「自分のために働く」「誰かの役に立てていると実感できる」。その感覚こそが、定年後の仕事のいちばんの魅力なのではないでしょうか。



