マツダ新型「CX-5」は5月の発売以来売れ行き好調で、割安感を理由に他社からの乗り換えも多いという。自動車業界に詳しいマーケティング/ブランディングコンサルタントの山崎明さんは「独自の戦略でコアなファンを掴んできたマツダにとって、新型CX-5はその売れ行きとは裏腹に、ブランド戦略の観点からは難しい問題を抱え込んだ」という――。
新型CX-5は販売好調だが…
5月21日、新型マツダCX-5が日本でも発売になった。
室内空間と荷室が広くなり、Googleの音声認識システムやGoogleマップが採用されて使い勝手が向上し、マイルドハイブリッド化で燃費も向上、と先代よりも大幅に商品力がアップした、というのが一般的な見立てであろう。
実際、発売直後の販売は好調のようだ。しかしこの新型CX-5は、現在マツダのおかれている苦しい状況を象徴しているモデルでもあるのだ。
ディーゼルエンジン見送りは正しいか
CX-5(旧型)は2017年の発売後8年が経過しているにもかかわらず2025年に世界市場で最も売れたマツダ車で、国内市場でも最も売れたマツダ車である。逆に言うと、その間にマツダが発売したモデルはCX-5を超えることができなかったとも言える。つまりCX-5はマツダにとって最重要車種なのである。
国内市場でCX-5に次ぐ販売台数となっているのはマツダ2で、こちらは2015年発売とさらに古い。しかしマツダ2はさすがに古く、2026年8月をもって国内生産が終了し、販売も在庫がなくなり次第終えることが明らかになっている。コンパクトモデルとしては新型CX-3が準備されているが、発売は2027年後半といわれている。
それゆえCX-5の重要性はさらに高まるわけだが、新型CX-5は日本市場において重大なネガティブポイントが存在している。それは先代までCX-5の販売を支えていたディーゼルエンジンがラインアップから落とされたことだ。

