マツダの技術を象徴する存在
2012年に発売された初代CX-5の最大のセールスポイントは新開発されたディーゼルエンジンで、なんと初期需要の8割以上をディーゼルが占めた。その後他モデルにもディーゼルエンジンが搭載され、ディーゼルエンジンはマツダを代表する技術となっていった。
高価にもかかわらずディーゼルがマツダの販売の中心になったことでマツダ車の平均販売単価は大幅に上昇し、ブランド価値向上にもおおいに貢献したのである。旧型CX-5はモデル末期の2025年でもディーゼルエンジン比率は50%もあったのだ。
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンより高価だが、燃焼効率に優れ燃費が良く、低速トルクも大きいため街中での出足も良く、高速道路走行時の加速も良い。また日本では軽油の税額がガソリンより安いため、燃料費がハイブリッド車並みに安いというベネフィットもある。
マツダのディーゼルエンジンは欧州車のディーゼルエンジンに比べ低圧縮というユニークな特徴があり、複雑な後処理デバイスを付けなくても規制をクリアできていた。ロータリーエンジンが事実上消滅した後、マツダのユニークなエンジン技術を象徴する存在となっていったのだ。
「マツダらしさ」とは何か
マツダファンは、マツダのユニークな技術や操縦性に優れた足回りに惚れた、クルマ好きが多い。
かつて世界で唯一ロータリーエンジンを実用化し、世界で唯一の量産ライトウェイトスポーツカーであるロードスターを35年以上にわたって作り続けていることなどが熱烈なマツダファンが多い理由である。
つまり他社とは異なるユニークな、クルマ好きをワクワクさせる車作りこそがマツダの存在意義であり、このディーゼルエンジンも「マツダらしさ」の1つとして捉えられたのだ。
