秋葉原から薄れつつある「萌え」の文化
「メイドカフェって、メイドさんから普段言われないような言葉を言われたり、ちょっと恥ずかしいなと思う言葉を一緒に言ったり、非日常を味わうテーマパークみたいな空間だと思うんです。でもコロナ前くらいから、可愛い女の子のチェキをいっぱい撮らせる場所になってしまっている。そういうやり方を、大手のメイドカフェでもしているのが現状です」
そんなメイドカフェの関係者が、コンカフェをあからさまに侮辱するのは違う、と純子さん。自分たちの立場やブランド力を維持したいがために、コンカフェと対立しているだけと冷静に話した。
確かに街の風景から、一昔前の秋葉原の象徴だった「オタク」「萌え」の文化は薄れている。ノスタルジーを語るつもりはないが、やはり寂しさは感じてしまう。一方で、ブームとはいえ、コンカフェの経営が必ずしも安泰かと言ったら、そうではないだろう。超レッドオーシャンであるため、疲弊している経営者もキャストも少なくない。実際、キャストの離職率も高いと、蘭さんは証言していた。
コンカフェ嬢がずらりと並ぶ現在の街並みも、競争の激化の挙句、いずれまた変わっていくに違いない。
「おにいさん、寄っていきませんか」
「1500円でいけますよ、どうですか」
コンカフェ嬢たちの声を背に聞きながら、秋葉原駅へ向かう。21時を回っていたが、秋葉原の夜はまだ長そうだ。この街の変化を今後も見届けたい。そう思いながら、改札をくぐった。


