メイド喫茶=善、コンカフェ=悪ではない

この状況を、メイドカフェ側はどう考えているのか。メイドカフェ「あっとほぉーむカフェ」で13年働き、現在はフリーのメイドとして活動する、メイド歴19年の純子さん(はかせ名義でも活動)にもお話を聞いた。

秋葉原のメイド歴19年の純子さん
筆者提供
秋葉原のメイド歴19年の純子さん

純子さんによると、メイドカフェの関係者や客たちで、秋葉原の印象や治安を悪化させた元凶として、コンカフェをあからさまに非難する人たちもいるという。だが純子さんは、その状況を「ばからしい」と切り捨てる。

「確かにコンカフェは違法な客引きをしていて、反社とのつながりが噂される店もあります。けれど、メイドカフェでも違法な客引きはあるし、一部では反社とのつながりもある。だから、メイドカフェが正義でコンカフェが悪、っていう風潮を私は良くないと思っています」

確かにイメージだけで言えば、可愛い制服を着て、笑顔で「萌え萌えキュンキュン」をしているメイドは、悪と正反対の存在に見える。だが、メイドも経営者も人間で、メイドカフェもビジネスである以上、その舞台裏ではさまざまなことが起きていると純子さんは続ける。

メイド喫茶も文化より収益が最優先

例えばほとんどのメイドカフェで、メイドは客と私的に繋がることはNGになっている。だがメイドの中には掟を破り、恋愛や金銭の授受を行う子もいるという。バレてクビになるメイドもいれば、店側が見て見ぬふりをすることもある。なぜなら、人気のあるメイドであれば、店からいなくなることは大きな損失であるからだ。

客とのつながりがバレる理由も、同僚のメイドからのリークが多いという。水商売の女性同士の、ドロドロした関係性を連想させる。そもそも、メイドカフェもコンカフェも等しく水商売だと純子さんは言う。

「界隈には、メイドカフェは水商売じゃないって言い張る人もいます。でも、人気によってメイドの価値が流動して、経営が成立しているって、どう見ても水商売。否定している人には、辞書を引いてみればって言いたくなります(笑)」

多くのメイドカフェの経営陣も、文化より収益を重視するようになっている、と純子さん。例えば、メイドと写真を撮れる「チェキ」という有料サービスがある。このチェキの数で、メイドの評価が決まる傾向が強くなったというのだ。すると、「可愛くて売り上げを作れるメイド」が正義になり、メイドカフェ文化そのものは、経営の中でやや置き去りにされてしまっている。