人生の最期を後悔なく迎えるにはどう生きたらいいか。実行管理コンサルタントの佐藤彰太さんは「僕が最期を看取った末期がん患者さんに、入院中、とても幸せそうにしている人がいた。その理由を聞いたところ、彼は『やり残したこと』への後悔などは一度も口にせず、僕に5つの人生訓を授けてくれた」という――。
※本稿は、佐藤彰太『絶対に「終わらせる」時間術』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
末期がん患者が教えてくれた5つのこと
自衛隊横須賀病院。
僕が海上自衛隊に所属していたときに勤務していた病院だ。
「自衛隊」と掲げられているように、元は自衛隊員専門の職域病院だったのだが、僕が勤務していたころには、一般の患者さんも受け入れる総合病院となっていた。
入院病棟も同様で、ありとあらゆる病態、病状の患者さんが入院していた。なかには末期がんでターミナルケアを受けている患者さんもいたので、僕は衛生兵(准看護師)として最期を看取ることもあった。
特に印象的だったのはAさんだ。
聞けば、ギター一本で世界中を旅してきたシンガーとのこと。進行性のがんを患っており、僕が担当についたころは、すでに末期だった。
Aさんは決して裕福そうではなかった。しかし、話を伺っているだけで、お金では測れない幸福な人生を送ってこられたことが伝わってくる。
そこである日の回診時、世間話の流れで、ふと「どうしてAさんは、そんなに幸せそうなんですか?」と聞いてみた。
当時、僕は20代半ば。今にして思えば少々失礼だったかもしれない。でも、いつも豪快で大らかなAさんは、僕のそんな素朴な問いかけに、にこやかに答えてくれた。

