鎌田實さんから教わった「2つの体操」

短期マイブームは食事にかぎったことではありません。

ずいぶん昔、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實さんとお会いしたところ、それより前にお会いした頃と比べてなんだかスマートになっていらした。お腹はへこみ、顔は引き締まり、グッと若返ったかのようです。

「どうなさったんですか?」

伺うと、先生、得々と解説し始めたのです。もはやそれについてはご著書もあるので私が改めて説明する必要もないでしょうが、つまり、「鎌田式スクワット」と「鎌田式かかと落とし」。たった二つの体操を毎日続けるだけで、脂肪が落ち、筋肉がつき、足腰や膝が丈夫になったとおっしゃるのです。

「スクワットがいいと言われても、若い人と同じようにやることはできない。そこで考案したのです、高齢者用のスクワットを。かかと落としもね」

私もかねてより「スクワットが健康にいい」ことは知っていましたが、本気でやろうとすると、どうしても膝がつま先より前に突き出る。膝を出さないようにすればうしろに体重を取られてしまう。

「スクワットは難しい。無理無理」

そういう印象を抱いておりました。

「3カ月やれば、確実に痩せる」と聞いて

「でもね。身体のうしろに椅子を置いておけば、倒れそうになったら椅子が支えてくれるから安心。高齢者はそれぐらいでじゅうぶんです。膝を直角に曲げようなんて思わなくていい。無理はしない。続けることが大事」

鎌田先生のお話に深く感銘を受けた私は、さっそく椅子の前に立ってスクワットを始めてみました。なるほど尻餅をつきそうになっても椅子が受け止めてくれるから怖くない。

「これをどれぐらい続けると、効果が現れますか?」

伺うと、

「そうだなあ。3カ月やれば、確実に痩せる。体力がつく」

3カ月か。よし、頑張ろう! でも私は3カ月すら続けられず、ときおり発作的に思い出したときしか実行しませんでした。

それから数年後、鎌田先生と再会しました。

「どう? スクワット続けてる?」

私は顔を逸らして首を横に振りました。