サバの代わりを期待されるニシン
大西洋のサバ資源は回復の兆しを見せていない。来年は一層の漁獲減・品薄高が指摘されている。「今は守りのフェーズ」と、魚の調達から加工まで手掛ける水産商社のニチモウ(東京)第三営業部・木川雄貴第二チームリーダー補佐は指摘する。
同社では塩サバブランド「さば丸」の販売を手掛けているが、原料調達がさらに厳しくなる現状で、国産サバでなく、ノルウェー産のニシンに着目。今春から塩ニシンの大量生産をスタートさせた。
ノルウェー産のニシンは、現状で年間30万トンほどの漁獲が見込める。しかも10〜11月に水揚げされる魚体は「脂肪分が20%以上あり、日本のニシンよりもおいしい」と木川氏は太鼓判を押す。
同社ではノルウェー産のニシンを3枚におろし、取り除きにくい小骨については「ベトナムの加工場で現地のスタッフとともに、3~5ミリ間隔で包丁を入れる“骨切り”の技術を1年かけて磨き、食べやすくした」と胸を張る。
今年は1000トンのニシンを原料に、塩分を加えて熟成させた半身の塩ニシンを「にしん王子」と名付けて本格的な販売を開始した。
日本では身欠きニシンや酢漬け、あるいはニシン蕎麦などが有名だが、塩ニシンとなるとなじみが薄い。しかしノルウェー産の塩サバの代替商品として、すでに首都圏のスーパーや鮮魚専門店にお目見えし、上々の滑り出しだという。
同社のみならず、スシローやウミオス、三菱商事の関係者もノルウェー産ニシンの商品開発に意欲をのぞかせている。サーモンやサバに次いで、ノルウェー産の魚が日本で定着するきっかけとなるかもしれない。



