「5年ルール」で支払額は変わらないが…
〈Aさん家の住宅ローンをシミュレーション〉
2017年4月~返済開始 35年ローン 4000万円借入れ 金利0.55%でスタート
変動金利型ローン(毎年4月・10月に金利見直し、5年ルール・125%ルール適用)、元利均等返済、ボーナス返済なし
住宅ローン控除の期間中のため、現在まで繰り上げ返済せず。
現在の返済額:10万4720円
「5年ルール」のおかげで、毎月の支払額(10万4720円)は現時点で変わっていません。しかし、半年ごとの金利見直しにより、毎月の支払額の「内訳(元金と利息の割合)」は、すでに以下のように変化しています(図表3)。
金利が上がったことで、毎月の支払額のうち「利息」の割合が激増し、「元金」がほとんど減らない“返済の先送り”が発生しています。これは、老後に残るローン残高が当初の予定よりも膨らんでいくことを意味します。
図表3の通り、当初は毎月約8万8000円ずつ減っていた元金が、2026年10月時点では6万6000円しか減っておらず、ローン残高の減るペースが遅くなっていることがわかります。
それでは、5年ルールの期間が終了する2029年4月の新しい返済額を試算してみましょう。
すでに利息額は2倍以上にも膨らむ
返済額の計算は、「その時点のローン残高」と「上昇後の金利」、「残りの返済期間」を用いて行われます。5年ルールの先送りでローン残高は増えていますし、再計算時には金利も上がっていますので、ご家庭によってはかなり家計が厳しくなるケースもあります。そのため、Aさんのように「繰り上げ返済で返済額を抑えよう」と思う人もいるかもしれません。
Aさんが考えたとおり、返済額が上がる直前に200万円の繰り上げ返済をした場合で計算すると、返済額は11万2074円(+7354円)となります。
200万円を繰り上げ返済しても、返済の先送りと5回分の金利上昇が影響し、返済額はアップしてしまいます。もし、どうしても返済額を今の金額程度に抑えたいのであれば、繰り上げ返済の必要額は380万円にもなってしまいます。
これらを一覧表にまとめると下記のようになります(図表4)。
契約当初に比べると、5回の金利上昇ですでに支払うべき総利息額も2倍以上になってしまうことがわかります。
ですが、引き続き今後も金利は上昇することも考えられます。



