従業員の人生に関心を持つ重要性
面白いことに、日本企業が手放してしまったこの家族主義的経営に、近年欧米のグローバル企業が注目し始めています。彼らは、「従業員の幸福が企業の成長につながる」ことに気づき、積極的に取り入れようとしています。皮肉な話ですが、日本が捨てたものを、海外が拾い上げようとしています。
もちろん、昔の家族主義にそのまま戻ればいいという話ではありません。かつての企業文化には問題もたくさんありました。しかし、「従業員の人生全体に関心を持ち、気軽に相談し合える温かい関係を築く」という精神の部分は、もう一度見直す価値があるのではないでしょうか。
また一方で、「上司や職場にプライベートまで干渉されたくない」と感じる従業員も増えています。もちろんプライバシーは大切ですが、組織内でまったく親密にならないままでは、信頼が希薄になり、心理的安全性が損なわれやすくなります。
お互いに興味や関心を持ち、支え合うことが、安心して意見や悩みを話せるためには不可欠なのです。ドライな関係性では、人は本当の意味での安心感や帰属意識を持つことはできません。
私たちは、「少しだけお互いに気を配る」という職場の在り方を、現代の形で再発見し、育てていくべきなのかもしれません。


