同じ笑いでも、職場を強くするものと、壊すものがある。その違いはどこにあるのか。職場のユーモアを研究する中京大学の丸山淳市氏は、「職場の強さを左右するのは笑いの多さではなく、その笑いが誰と誰をつないでいるのかだ」という――。

強い職場に必要なのは「リーダー」だけではない

効率や生産性が重視され、業務に直接関係のない会話は無駄と見なされがちです。ハラスメントへの警戒から「余計なことを言って問題になるくらいなら、黙っていたほうがいい」という空気も広がっています。しかし、雑談やユーモアが減り、人と人との距離が少しずつ広がっていく職場で、はたして新しい発想や思い切った挑戦が生まれるものでしょうか。

私は心理学の立場から、職場のユーモアを研究しています。ユーモアは単なる気晴らしや息抜きではなく、働く人の意識や組織の活力にも関わるコミュニケーションだと考えます。ただし、ユーモアであればどんな内容でもよいわけではありません。人間関係を深め、挑戦しやすい雰囲気をつくるユーモアがある一方で、信頼を損ない、人を萎縮させてしまうユーモアもあります。

職場を強くするユーモアと職場を壊すユーモアの違いは、どこにあるのか。本稿では私の研究から見えてきた事実をご紹介します。

(構成=渡辺一朗 イラストレーション=村田篤司)