自宅と会社、どちらが仕事ははかどるのか。コロナ禍をきっかけに在宅勤務制度を導入する会社が増えたが、海外では「生産性が下がる」ことを理由に働き方を完全出社に戻す企業が相次いでいる。業績とエンゲージメントの観点から、最善の選択を解説する。

在宅勤務は生産性を本当に下げているのか

今年7月、GMOインターネットグループの熊谷正寿代表が同社の在宅勤務について「グループとしての推奨を終了する」と発表しました。コロナ禍ではいち早く在宅勤務を取り入れ、ネット企業の代表格でもある同社が「原則出社」へ転換したことは、大きな反響を呼びました。

熊谷代表はX(旧ツイッター)でこの判断の理由として「在宅勤務者のPCタイピング数の減少」を挙げていました。それに対しネット上では「経営者が社員を管理したいだけではないか」「時代に逆行している」といった批判的な反応が相次ぎました。リモートワークを手放したくない働き手にとって、この理由は経営者による管理強化のように映ったのではないでしょうか。この件はちょっとした炎上騒動のようになり、熊谷代表は「在宅勤務という働き方そのものを否定するものではない」として説明を修正するに至りました。

2024年後半以降、アマゾンをはじめ、アクセンチュアやベイカレントなど国内外の名だたる大企業が相次いでリモートワークの廃止を打ち出しています。こうした動きを見ると社会では、原則出社回帰へのトレンドが生まれているようにも映ります。

(構成=渡辺一朗 イラストレーション=村田篤司)