定年間際に手取り月収が14万円以上ダウン
今回は、独身で長年賃貸住まいだった立川徹子さん(仮名・59歳・会社員)からのご相談です。
「そろそろ家を買いたいのですが、手元の購入資金は、NISAの400万円(評価額)くらい。NISAを売却してでも買ってよいものでしょうか? 上がり相場に売却するのは惜しい気もしますが、60歳以降に買うほうが、購入条件が不利になり、損するような気がします。今買うべきか見送るべきか、果たしてどちらが有益でしょうか」(立川さん)
立川さんは、あと1年足らずで60歳。「それまでに家を買わなければ」という焦りが十分に伝わってきました。しかし、なぜ“今”家を買おうと思われたのでしょうか。理由を聞くと、半年前から続く大きな減収と実家の問題がありました。
立川さんの勤務先は、ここ数年業績不振が止まらず、ついに給与のインセンティブ方式が廃止に。手取り月収が約37万円から約22万5000円へと大きく下がってしまいました。
故郷の老父と同居すべきか
減収を境に特に頭を悩ませるようになったのが、住居費の負担の重さです。立川さんは千葉県の中でもアクセスのいいエリアの分譲賃貸マンション(1LDK・50m2)に長年住み続けており、家賃は月9万5000円。手取り37万円のときは住居費が月収の約26%程度と、無理のない負担額でした。しかし22.5万円になると42%超に。家計の中で住居費が突出してしまい、やりくりが一気に苦しくなりました。
そんな中、母親が他界し、中部地方の実家では80代の父親が一人暮らしに。父親は慣れない家事に戸惑いながらも今のところ誰の手も借りずに生活できています。ただ、先々を考えると「一人娘の私が実家近くに家を買って、何かあった時に即駆けつけられるようにしたほうがお互い安心だろう」という考えが頭をもたげるようになったと言います。
父親と同居すれば住居費はほぼゼロですが、距離が近すぎることで関係悪化やストレス増大につながる懸念がある。実家付近の賃貸物件は築古アパートしかなく、今住んでいる千葉の分譲賃貸マンションに比べて生活の質が著しく下がる。父親のそばにいるなら買うしかない、と考えたわけです。

