全国のスーパーで販売されたコメの平均店頭価格は5キロ3796円で、2週連続の下落となった。コメ価格はいくらまで下がるのか。元農水官僚で武蔵野大学国際総合研究所研究主幹の山下一仁さんは「最終的に5キロ2500~3000円台で落ち着くだろう。理由は、農水省が政府備蓄米の落札価格を2万500円としたからだ。これを基準にJAは農家に払う概算金を決めてくる。国民不在の出来レースだ」という――。
スーパー「フレッシュ市場 マルフク中浦和本店」の店頭に積まれたコメと福島晶彦店長=2026年4月23日、さいたま市
写真提供=共同通信社
スーパー「フレッシュ市場 マルフク中浦和本店」の店頭に積まれたコメと福島晶彦店長=2026年4月23日、さいたま市

コメの値段はどれだけ下がるのか

最近、期せずして主要紙の記者とアメリカの政治学の大学教授から同じ質問を受けた。

「この2年間、あなたがプレジデントオンラインや著書で書かれたコメについての予測は、ことごとく的中している。何度となく農林水産省のウソを指摘してウソがばれた同省は謝罪している。あなたは同省とは音信不通の関係で取材もしていないのに、なぜ当たるのか」と言うのだ。

答えは簡単である。

マスコミも専門家と言われる人たちも農林水産省が言うことを信じてしまう。まさか役所がウソをつくとは思わないからだ。しかし、役所も民間企業と同じく、組織の利益を守るためにはウソをつく。役所に聞いても本当のことは言わない。

30年も農林水産省の内側にいて際どい仕事もしてきた者には、それがよくわかる。役所の言うことを信じないで(あるいはウソをつくだろうと思って)、データが示す事実を経済の原則に照らして分析すると真実が見えてくる。

コメに関する農林水産省の組織利益とは何か? それはJA農協のために米価を高く維持することである。これが国民や消費者の利益と異なることは、お分かりだろう。

マスコミの報道は、コメの値段が毎週どれだけ下がるかに一喜一憂しているようだ。確かにここしばらく少しずつ下がってはいる。しかし、精米5キログラムが、昨年8月3542円だったものが今年1月に4416円まで上昇した後低下している。

それでも直近(4月27日の週)の値段は3796円である。昨年8月よりもまだ高いし、2年前は2000円を切っていたことを考えると、今の値段でも異常に高い水準だ。

【図表】スーパーの販売数量・価格の推移

もちろん、生産が増え在庫が積み上がっているなかで、コメの値段が低下傾向にあることは、コメ業界の人たちが指摘しているとおりである。しかし、どこまで下がるのか。今からすればかなり低下するだろうが、コメ騒動が起きる前の2000円まで下がるかというとそうではない。

私は、3月11日付プレジデントオンライン「コメ価格が上がるのも、下がるのも『JA都合』…専門家が『暴落は今年9月』と断言する、あまりに理不尽なカラクリ」で、今年9月コメの値段は大きく下がると予言した。

それを補強する事実も出てきた。それを指摘する前に、なぜ9月なのか、なぜ大きく下がるのかについて、もう一度、整理・確認しておこう。