「オルカンを買うのもいい。でもね、日本にいい会社がたくさんあるのに、なんでそこを見ないのかと言いたい。投資は“推し活”なんですよ」

すぎむら・たいぞう
杉村 太蔵(すぎむら・たいぞう)●元衆議院議員・投資家。11979年生まれ。筑波大学中退後、派遣社員から外資系証券会社勤務を経て、2005年に衆議院議員総選挙当選。10年に落選後、タレント・投資家として活動。

投資家としても知られる杉村太蔵氏の新著は、政府が毎年まとめる「骨太の方針」を手がかりに、今後の成長分野や企業を見極める投資法を示した一冊だ。

骨太の方針を「国のお金の流れを示す一次情報」と捉え、その方向に沿う企業を探す。企業分析の前に、まず国の意思を読むのである。

「骨太の方針はものすごく参考になります。官民一体で成長させようとしている分野が全部書いてある。新聞のダイジェスト版もいいけど、やっぱり元の文書を読まないとだめです。最低でも7回は読んでほしい。読むたびに見え方が鮮明になりますから」

この考え方の原点は議員時代にある。就職氷河期を経験し、派遣社員から外資系証券会社へ。そこで企業分析を叩き込まれた後に、国会議員として政策文書に触れ、「企業の業績は政策の影響を受ける」と実感したという。

「だったら、骨太の方針を見て投資すればいいじゃないかと。それが出発点です」

杉村氏は、そのようにして選ぶ銘柄を「推し株」と呼ぶ。社会課題を解決してくれそうな企業を応援する(推す)という発想だ。

「お金はわが子なんです。この会社なら就職させたいと思えるところに送り出して、できれば年に2回仕送りしてくれよと。最後は大きく成長して帰ってきてほしい。そういう感覚でやると、投資はすごく面白くなる。資産形成と投資は全く違います。“推し”の企業を通して、一人一人が社会課題の解決に参加できる。それが投資のすばらしさです」

本書では個別銘柄も紹介しているが、あくまで考え方の提示が目的だという。

「本に出ている銘柄をそのまま買うのはやめてほしい。企業のことを理解してから買わないと、その株をいつまで持ち続けるべきか判断ができないからです。骨太の方針を読んで、自分で考えて選ぶ。それが投資です」

(インタビュー・文=大島七々三 撮影=ミヤジシンゴ)

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