※本稿は、西岡壱誠(著)、未来図編集部(監修)『へんな学部 令和ニッポンのユニーク学問最前線』(笠間書院)の一部を再編集したものです。
「独自性」をアピールする日本の大学
いま日本の大学は、「いかに独自性を示すか」に知恵を絞り、その結果「へんな学部」が生まれています。そして、大学が個性的になるにつれて、入試のあり方も変わってきました。その象徴が「総合型選抜(旧AO入試)」です。
2024年度入試では、私立大学の約2割の受験生が総合型選抜で入学しています。学力試験だけではなく、志望理由書・小論文・面接・部活や課外活動の実績などを総合的に評価する入試です。大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)に合う人を選ぶので、「マッチング入試」とも呼ばれます。
個性的な学部と総合型選抜は、めちゃくちゃ相性がいいんです。たとえば、恐竜学部を志望する高校生。その子はたぶん、子どもの頃から恐竜が大好きで、博物館に通い、化石を集め、恐竜の本を読み漁ってきたはずです。そういう熱意や経験って、偏差値じゃ測れないですよね。
京都精華大学の「マンガ学部」なら、自作のマンガ作品をポートフォリオで提出できます。桜美林大学の「航空学群」なら、飛行機への憧れやパイロットになりたいという明確なビジョンが評価されます。危機管理学部なら、防災活動やボランティアの経験が武器になります。
つまり、「へんな学部」は受験生の「好き」「やりたい」をダイレクトに評価できるんです。このように日本の大学でも変化が起きていますが、海外に目を向けると、もっとすごい例があります。
授業はオンライン、合格率1~2%の超難関「ミネルバ大学」
いま、世界から注目が集まっているのが、2014年にアメリカ・サンフランシスコで誕生した「ミネルバ大学」です。
もはや「へんな学部」を超えた「へんな大学」です。それは、21世紀の高等教育に革命を起こそうとする、まったく新しい形です。固定されたキャンパスは持たず、4年間で世界7都市を移動しながら学びます。
授業はすべてオンラインで、少人数のディスカッション形式。筆記試験はなく、創造性と思考力を問う謎の入試。そして合格率はわずか1〜2%という超難関。従来の大学の常識を次々と覆しています。
「世界中から集まった学生が、世界中を教室にして学ぶ」というコンセプトのもと、グローバルリーダーの育成を目指しています。日本からの進学者はまだ少数ですが、その革新的な教育スタイルは、世界中の教育関係者から注目を集めています。
(参考)
・「Minerva University Granted Accreditation by WSCUC」
・BigFuture College Board「Minerva University」
・Niche「Minerva University Rankings」
日本の最高峰とされる東京大学でも、推薦入試が数年前から行われ、2027年には新学部「UTokyo College of Design」を開設するなど“従来のモデルを自ら壊しにいく動き”があります。ただ、ミネルバ大学は、もはやこれら東大の動きを“超えている”とも捉えられます。

