子どもでも大人でも片付けが苦手な人がいる。学習院大学教授の秋田喜代美さんは「汚いかどうかの基準は人によって異なる。そこに善し悪しはないが、幼少期の家庭のスタイルが反映している」という。ノンフィクションライターの山川徹さんが聞いた――。
散らかったデスク
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なぜ私は片付けができないのか

デスクには、書類や資料が無秩序に広がり、床にはいつ読むと知れない書籍が積み上がる。どこの編集部を訪ねても必ず目にする光景だ。片付けられない――それは、出版業界に限らず、たくさんのビジネスパーソンが抱える悩みなのではないか。

「捨てる技術」「断捨離ブーム」「仕事ができる整理術」「ミニマリズム」「片付けられない人の特徴」……。4半世紀におよぶ私のフリーランスライターとしての仕事を振り返っても、片付けをテーマにした雑誌記事を手がけた数は、両手で数え切れない。かつては本棚やデスクの整理指南が中心だった特集も、最近はデスクトップ管理術や、情報の選別方法が増えた。それだけ“片付け”に苦しむ人がいるということなのだろう。

そういう私も片付けができない。仕事場の床に置かれたボックスにはずいぶん前に終えた仕事の資料がいまだに突っ込まれ、背表紙をそろえていたはずの本棚はいまや横置きの本だらけ。手をつける気すら起きない。

達人に片付けのコツを聞いてきた本人がそうなのだ。どんなに優れた片付けの方法を教えられても、デジタル技術がいくら進歩したとしても、片付けられない人は、ずっと片付けられないままなのではないか。

私は、片付けを半ば諦めていた。だが、いま切実に思っている。なんとかしなくては、と。

きっかけは、3歳になった息子Kのおもちゃだ。