社用車を持たず、電車通勤で早朝ゴルフに

神田は社用車を持たず、電車通勤だ。そして、長い間、秘書もいなかったが、数年前から1人ついた。ただし、秘書は会長、社長、相談役の3人を担当している。

毎週土曜日、早朝には千葉カントリークラブ(野田市)にゴルフに行くが、これも1人、電車を利用している。

「この前、専門店でゴルフ用ベルトを買ったが、お袋がよくいっていた『もったいないという気持ちを大切にしなさい』という言葉が脳裏に浮かんできた。ブランド品と安物を見比べて、散々迷った末に結局、数千円の違いだったが安いほうを買ってしまった。後悔したけれども、後の祭りだった……」(神田)

神田は何をするにしても全て自分の目で見て歩いて確認する。その中でも、特に神田が熱心にやっている仕事に物件探しがある。

実際に出店するとなると、保証金や家賃など1店舗につき5000万~8000万円くらいかかる。失敗すれば、7000万~8000万円のお金をドブに捨てるようなものだ。

こんな責任の重い仕事を、社員にやらせてしまったら、社員のプレッシャーが大き過ぎてしまう。そこで日高屋では神田が物件探しを担当している。筆頭株主でオーナー会長がやるのであれば、仮に失敗したとしても、誰かが責任を負うことはない。

神田は以前、昼、夕方、夜、深夜などに時間を分けて、物件調査をしていた。しかし、経営トップにもしものことがあれば、コーポレートガバナンスが問われ、さらに健全な経営を行なうための監視・管理体制が問われてしまう。

そのため、神田が統括する店舗開発部には、部長1人に加えて、課長・担当者が4人、事務職員1人が配属されていて、出店戦略に基づいて物件探しをしている。

「これはいいな」という物件があれば、開発担当者は神田と協議、神田が物件とその周辺地域をくまなく現地視察し神田が最終決断をしている。

約4000人のフレンド社員「感謝の集い」

日高屋ではベトナム、中国、ミャンマー、ネパールなど外国人のフレンド社員(パート・アルバイト)が増え続け、今や約4000人を超える。2026年(令和8年)1月末時点で、フレンド社員の約1万1000人のうち約36%を外国人が占めるようになった。

「日本の企業はこれまで、アジアから来た外国人を上から目線で採用してきました。けれど、そういう採用の仕方はもう通用しない、はっきりいって彼らがいなかったら会社は潰れる、彼らに助けてもらっている、という気持ちで接して欲しい」(神田)

神田は国籍、学歴、性別などに関係なく、実力があれば店長に抜擢してきた。今や飲食業やコンビニなど小売業の最前線においては、外国人雇用と外国人店長の活躍で成り立っている。

だから国籍に関係なく、考課によって日本人と同じように昇給・昇格する。

厨房、エプロンをつけた外国人女性
写真=iStock.com/naveebird
※写真はイメージです

神田は2014年頃(平成26年)から、フレンド社員(パート・アルバイト)に対しても、ボーナスの支給を始めた。そして神田は「フレンド社員感謝の集い」を毎年開催しているが、そのきっかけは、ある外国人女性のフレンド社員のことだった。