亀の子スポンジを新たな看板商品に

2014年、スポンジ市場へ参入する。

「当社のたわしにスポンジを足せば、食器洗いが同社の商品で完結できます。また、キッチンのシンクに、必要なものを当社の商品ですべて揃えてもらうという目標がありました」

「救世主」となった亀の子スポンジ
撮影=プレジデントオンライン編集部
「救世主」となった亀の子スポンジ

他社と差別化を図るため、ピンクやグリーンといったカラフルな限定色を打ち出し、商品のブランディングに注力した。また、研究所を設け、スポンジの性能を研究し、抗菌力や防カビ力といった成分を加えて商品を常にアップデートしているという。

食器用スポンジという「レッドオーシャン」に乗り込むという大胆な挑戦だったが、「亀の子スポンジ」は2017年、日本パッケージデザイン大賞を受賞した。

季節によってカラーバリエーションが変わる。冬はツバキとマツが登場
撮影=プレジデントオンライン編集部
季節によってカラーバリエーションが変わる。冬はツバキとマツが登場

「たわし屋」を守り続けるために

その1年後、サイザルという新素材で作ったベーグル型の「白いたわし」シリーズを発売。ボディケア商品の展開も開始し、これまで届かなかった若い主婦層、20~30代の女性層を獲得していく。その結果、同社の売上構成比が大きく変わった。以前は、定番のたわしが売上の97%を占めていたが、今ではたわしが約75%で、他商品の比率が上がっている。

商品の多角化に成功したとはいえ、「家業はたわし屋なんです」と、祐理子さんは熱意を込める。

「スポンジが売れるようになったというのはうれしいことなのですが、やはり私どもの本業はたわし屋です。今、原点に返って、本業を盛り立てていこうという気運が社内にあります。これからますますAIが浸透し、製造業の在り方が変化していくでしょうが、私どもはたわし屋のプライドを大切にして、このまま本業を守り続けていこうと思っています。必ず今以上に、手作りの良さに価値が置かれる日が来ると信じているんです」

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