スヌーズとアラーム1回で起床の決定的な違い

言うまでもなく、原始人類に目覚まし時計のスヌーズボタンなどというものはなかった。彼らはおそらく自身の体内時計に従っていただろう。

つまり、アラームで突然目を覚ますことなどなかったのだ。彼らのような目覚め方がはるかに自然なのは想像がつくだろう。現代の狩猟採集民同様、安定した概日リズムにつながるからだ。

残念なことに、最近では自然な目覚めは多くの人々の選択肢から消えてしまっている。仕事へ行かなくてはならないからだ。スヌーズボタンを押すのも一般的な習慣になった。

腕時計型の活動量計スマートウォッチのユーザー2万人を対象にした調査では、50%の人が毎朝少なくとも1回はスヌーズボタンを使っていると答えた。では、スヌーズにはどんな効果があるのだろう?

2022年の日本の研究では、調査対象者の70%以上が主に寝過ごす心配を軽減するためスヌーズ機能を使っていた。この研究では睡眠を定量化するため睡眠ポリグラフ検査が用いられた。

スヌーズを使った場合、睡眠の最後の20分間では覚醒とノンレム1の浅い睡眠がみられた。つまり、スヌーズ使用者の客観的な睡眠の質は低かったのだ。もう一つの発見は、1回目のアラームで起きる人々と比べると、朝の睡眠慣性の時間が長かったことだ。

睡眠から覚醒への移行に時間がかかり、スヌーズを用いると起床後、眠気が残るのである。理由として考えられるのは、睡眠と覚醒を交互に移行することでスムーズに目覚める妨げとなる変化が体内に生じるということだ。

目覚めると心拍数は上昇するが、その度に身体にエンジンをかけなくてはならない。これがエネルギーを消費し、スヌーズ機能を用いることで起床後に疲労感や眠気が残るのかもしれない。

睡眠慣性はとりわけ夜中の短い覚醒状態の間、睡眠によい影響を及ぼしている可能性がある。睡眠を保護し、再び眠りにつこうとする働きを強めるのだ。

朝の起床時にスヌーズ機能で何度も無理に目覚めさせられると、身体が睡眠を守ろうとして、覚醒するに必要な刺激の閾値が高くなり、その分、眠気が増えかねない。

2023年のある研究では異なった結果が判明した。スヌーズは認知的な作業のパフォーマンスによい影響を与え、起床後の眠気への影響はないと結論づけられたのだ。

一日を乗り切るのに努力を要する悪影響も

この差異はどこから来るのだろう? 前述の日本の研究では聴覚反応時間と注意力、眠気、意欲の低下、疲労感、認知機能の10段階評価のみが用いられた。

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スヌーズに効果があるとした2023年の研究では被験者の計算速度やエピソード記憶などを測定する、比較的難しい認知テストが用いられた。その面から考えると、起床後に少し複雑な作業を行うなら、スヌーズ機能を常用している人は恩恵にあずかっているかもしれない。

しかし同時に、スヌーズ使用者は日中に眠気を感じやすく、同じ日の遅い時間に認知的な作業をする場合はより多くの労力を必要としたという、あまりよくない発見もあった。

要約すると、スヌーズ機能の睡眠慣性や起床後の認知機能への影響については様々なエビデンスがあるものの、一般的なアドバイスとしては、スヌーズ機能は用いないように努め、アラームが1回鳴ったら起床しようということだ。

スヌーズ機能を常に用いている場合、目覚めた直後の複雑な作業には役立つかもしれないが、後で眠くなる、一日を乗り切るのに努力を要するなど、悪影響が及ぶかもしれない。

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