起きるべき時間が体内時計に対して早い

9時〜5時勤務の職種の場合、一定の睡眠リズムの維持が困難なのは夜型傾向の人だ。平日と週末の就床時間に大きな差があり、「社会的時差ぼけ」として知られる状態を生じさせる。

学生や日勤労働者は週末に長く眠って平日の寝不足を埋めようとするが、これは14〜25歳の若者では主観的な睡眠の質に最も悪い影響を及ぼす。

夜型傾向の成人では、週末に眠りたいだけ眠ると朝の活力が得られる利点はある。ある研究では被験者が遅寝遅起きし、睡眠を長くとったところ、休養感が増したという。

研究者は明確に言及してはいないが、社会的時差ぼけが関係している可能性がある。睡眠の状態が普通である夜型傾向の人は、平日は、起きるべき時間が体内時計に対して早すぎるため、寝不足になっている場合がある。

朝の光が差し込むベッドで枕を抱きながら微笑む女性
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仮説ではあるが、週末に遅く寝て遅く起きると体内時計に合った昼夜のリズムになり、睡眠時間が長くなることで朝の眠気が減り、すっきりと目が覚めるのかもしれない。

ここで取りあげたのは睡眠の状態が平均的な場合だ。不眠症では、眠りたいだけ眠ると睡眠の断片化(そしてその後の不安な覚醒状態)を招き、日中の活動に支障をきたすため、やはりいい考えとは言えない。得られるメリットもデメリットより少ないだろう。

昼寝で効果を得られる人、得られない人

原始人類が昼寝をしていたかどうかはわからないが、ハヅァ族のような現代の狩猟採集民にとって昼寝は極めて普通である。彼らは平均すると週の半分以上の日に昼寝をし、夜以外の時間帯での睡眠時間は1日あたり平均17分である。

昼寝の良し悪しについては一概に断言できない。昼寝にはメリットもあるが、よい効果が出るかどうかは、不眠症の有無で異なる。

パワーナップ、つまり日中の短い昼寝が認知能力によい影響を及ぼすことにはエビデンスがある。これは前夜の就床時間が短かった(または睡眠不足の)人に特に当てはまる。場合によっては、前夜、普通に眠った後でも効果がある。

昼寝は記憶をサポートするので、学習能力を向上させる可能性があるのだ。パワーナップは特に単純作業での問題解決能力を高められる。夜勤労働者は勤務中に短時間の睡眠をとることで、目覚めた後、集中力を維持でき、認知能力が高まるだろう。

アスリートでも集中力が高まり、一般的には身体的なパフォーマンスに悪影響を及ぼすことはない。寝不足の時に昼寝をするとパフォーマンスが向上することもある。