稼ぐよりも、とにかく重機に乗りたい

また、ほかにも法人化した理由があるという。

「私に重機の魅力を教えてくれたドラえもん先輩を、どうしても雇用したかったんです。これまでも同じ現場で一緒に働いてきたこともありますが、ドラえもん先輩がいない現場で仕事をすることは私にとってあり得ないことだったんです。ドラえもん先輩と働き続けるためにも、法人化して彼を雇用することにしました。いまはとにかく恩返しがしたいです」

一人親方としてもっと稼ぐことはできた。しかし、東さんのなかでは子ども以上に優先すべきことはない。それは、子どもたちには幼いころから苦労をかけてきたという思いがあるからかもしれない。

ユンボの操縦室に入ろうとする東さん。取材中はドラえもん先輩の技術がいかにすごいのかについて熱く語ってくれた
筆者撮影
ユンボの操縦室に入ろうとする東さん。取材中はドラえもん先輩の技術がいかにすごいのかについて熱く語ってくれた

また、法人化後も事業拡大はせずに、受けきれる範囲に絞って仕事を受けるようにしているという。せっかく法人化したのだから、従業員を複数雇用し、複数の現場を同時に回して売り上げを伸ばすこともできるだろう。

だが、そこにも東さんなりの明確な答えがあった。

「従業員を増やして複数現場を回すようになると、私は経営にフルコミットしなければならなくなると思っていて。それは嫌なんですよ(笑)。私はユンボに乗るのが好きでこの仕事を始めたので、できる限りは“ユンボオペレーター”として現役を続けたいんです」

母親として、そして一人のユンボを愛する者として。東さんは両方が理想の形になる選択を取り、実行しているのだ。

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