10月に入ってからの米債務上限問題の報道は一段と喧しかった。というのも、米国は本年5月にすでに16兆7000億ドルの債務上限に達しており、デフォルト(債務不履行)回避の緊急措置が取られた状態である。米債務上限問題がそれほど深刻であるなら、5月の時点でももっと話題となってもよさそうなものだが、メディア等で積極的に報じられていた記憶は薄い。5月と10月、同じ債務問題でありながら、なぜ取り上げ方にかくのごとき差が出てくるのか不思議である。

それ以前、米政府がデフォルト寸前と騒がれた一件といえば、2011年が想起される。当時もやはり債務上限に達し、引き上げを認めるか否かで米議会は与野党が対立し紛糾した。特に金融市場を混乱させた直接的な要因として、米政府がデフォルト寸前ということで、米格付け会社が米国の信用格付けを引き下げたことが大きかった。これが同年8月以降、米国株式の大幅下落の誘因となった。

翻って今回だが、格付けに関しては、再度混乱に陥るようであれば格下げも、との意向が格付け会社から表明されているにとどまり、実際に格下げとなったわけではない。本年6月の段階にいたっては、年初の減税失効と歳出の自動削減開始が重なる「財政の崖」を回避したことに触れ、米格付け見通しを「ネガティブ」から「安定的」に引き上げた格付け会社もあったぐらいである。