丁重なお詫びをした後の「予感」
経緯はこうでした。お客様は、貨物に預けたバッグが、汚れた状態で戻ってきたことに気づき、すぐに地上スタッフにそのことを伝えに行きました。
するとそこにいたスタッフが、ニコニコ顔で謝罪をしてきたことに対して、カチンときたと言うのです。笑いながら謝罪されたら、軽んじられているとお客様が感じられたことは、もっともなことです。
私は、再度、丁重に頭を下げ、お詫びをいたしました。しかし、そのとき、お客様が不快に思われた理由は、これ以外にもあるかもしれない、という予感がしました。
そこで、「お客様、他にも何か失礼なことはなかったでしょうか」と尋ねてみました。すると、その言葉を待っていたかのように、お客様はこう切り出しました。
「そうよ、まだあるわよ! まず、第1ターミナルに行きたかったのに、間違えて第2ターミナルで降りちゃって。どうやって第1ターミナルに行けばいいか聞いたら、“そこのバス乗ってください”と雑に扱われて腹が立ったのよ!」
最後にはすっきりした表情で笑顔になった
さらに続けて、「そもそも、私はこの飛行機に乗る予定じゃなかったのよ! 別の便に乗りたかったのに、予約センターに電話をしたら、お客様の航空券では、変更できません!と冷たく言われちゃって……」
これまでの経緯を言葉にしていくと次第に、お客様のご様子が落ち着いていくのを感じました。
「そのようなことがあったのですね。度重なる失礼を大変申し訳ございません」
「いいのよ、あなたが悪いんじゃないもの……。でもJALが好きだからこそ、いろいろ重なってガッカリしたのよ」と、最後にはすっきりした表情で、笑顔を見せてくださいました。
このとき、クレームにはそこに至るまでの根があると実感しました。

