価格はまさかの“ほぼ据え置き”

ノマドは1年ぶりの販売再開と同時にマイナーチェンジも発表しており、肝は先進安全のアップデート。

国内生産のジムニーと同様に最新のスズキデュアルセンサーブレーキサポートIIを搭載し、車線逸脱抑制機能を標準装備。

さらに追従クルーズコントロールやカラーのマルチインフォメーションディスプレイ、スズキコネクトにも対応し、ボディカラーも新色のグラナイトグレーメタリックを新設定。メーカーオプションでバックアイカメラ付ディスプレイオーディオも付けられるようになりました。

必要計器をシンプルに収納した立方体のクラスター。機能に徹した飾らないデザインが特徴的だ。
筆者撮影
必要計器をシンプルに収納した立方体のクラスター。機能に徹した飾らないデザインが特徴的だ。

ここにきて国産3ドアジムニーと同等の最新機能が味わえるようになったわけです。

個人的に凄いと思ったのが価格で、5MT&4AT共に292万6000円。当初は5MTが265万1000円、4ATが275万円でした。これだけ超人気なだけに大幅値上げでも文句は出ないだろうに普及型の後者で17万円ほどしか上がってないのです。

ユーザー側からしてみると転売ヤー対策にもなるはずだし、もっと高くしてもよかったのでは? と思えるほどです。

エンジンもギア比も「ジムニー シエラ」と一緒

なにより、なぜジムニーノマドは異様ともいえる人気を発揮しているのでしょうか? もちろんそこにはリアに追加された2枚の左右ドアや、全長・ホイールベース共に34センチずつ伸ばしたことによる利便性のアップがあります。

3ドアジムニーと決定的に違うのは後席の快適性。足もとスペースは余裕がある。
筆者撮影
3ドアジムニーと決定的に違うのは後席の快適性。足もとスペースは余裕がある。

そもそも日本でスタイリッシュな3ドア車や2ドアクーペが売れたのはスタイル重視のバブル期以降まで。例えばハッチバックで有名なホンダシビックは、当初3ドアハッチが人気でしたが次第に下火になり、2000年代の8代目ではハッチバックごと消え去り、2017年に国内復活した10代目は5ドアハッチと4ドアセダンのみ。

今や日本において3ドア市場は壊滅的で、逆に言うといままでジムニーがよく売れていたなと思えるほどです。

同時に新型ノマドは、一見グリルにメタリック塗装がされていたり、全グレード丸型LEDヘッドライト化されたりするなど装備や質感が微妙に上がっています。

ところが基本となるボンネットやフロントフェンダーなどのフロントセクションや、リアバンパー形状にしろ、普通乗用車であるジムニーシエラと全く同じだし、中身の1.5L直4エンジンはピークパワー&トルクの102ps&130Nmまで完全同一。エコなマイルドハイブリッドすら付いていません。

せめて都市生活者向けにギアボックスを多段化して欲しかったですが、5MTと4ATはギア比まで含め、シエラと完全同一。高速では相変わらずエンジンが多めに回ってウルサいのです。