江戸裏鬼門を守る日枝神社は「比叡山」由来

では次。赤坂氷川神社から徒歩12分の日枝ひえ神社に向かいます。

正確にはここは赤坂ではなく千代田区永田町なのですが、よく「赤坂の日枝神社」と呼ばれるほど、このまちと一体化したスポットです。

目印は、「山王下(日枝神社入口)」交差点から見える白い山型の山王鳥居。エスカレーター付きの参道が現代的です。

日枝神社の主祭神といえば、大山咋神おおやまくいのかみ

もとは京都府と滋賀県の境に位置する比叡山の神で、その別称が「山王」。「ひえ」の読みは比叡の転訛てんかです。

つまり、山王を祀る比叡山由来の神社が日枝神社なのです。

日枝神社の愛されキャラは神の使いの猿

山王神は古来、平安京の鬼門守護として崇められ、のちに各地に分霊されますが、将軍徳川家もまた江戸城の鎮守としてこの神を重んじ、江戸城の改築による遷座を経て、現在地に鎮座されました。万治2年(1659)のことです。

本田不二雄『東京異界めぐり』(駒草出版)
本田不二雄『東京異界めぐり』(駒草出版)

こうして江戸時代、日枝神社は江戸城鬼門(北東)の神田明神とならぶ裏鬼門(南西)の守護神として崇敬され、明治維新ののちは皇城鎮護の神社として引きつづき尊崇されてきました。

そんなわけで、権威と格式の高さを誇る日枝神社ですが、とりあえずは、この神社ならではのキャラクターに注目してみましょう。

その名も「神猿まさる」。大山咋神の神使(眷属けんぞく)、いわば山神の使いのサルです。そのお姿は、神門の中および拝殿の手前に一対拝することができます。

面白いのは、「まさる」の語呂が「魔が去る」「勝る」に通じることから、魔除け、厄災除け、勝運、立身出世のご利益があるとされ、猿が「えん」と呼ばれることから、良縁をもたらすといわれていることです。

せっかくの機会、お参りの証として神猿の各種お守りをいただくのもありでしょう。

【関連記事】
渋谷駅から徒歩5分に「カワイイけど怖い」石像がズラリ…大都会の知る人ぞ知る「異界スポット」の正体
石田三成と戦っていないのに関ヶ原合戦後に大出世…徳川家康が厚い信頼を置いた「戦国最大の悪人」
11体のラブドールと暮らし"正しい性行為"を楽しむ…「人より人形を愛する男たち」が奇妙な生活を始めたワケ
異民族に3000人の皇族が連れ去られ、収容所送りに…「戦利品」になった女性皇族たちがたどった悲惨な結末
なぜ伝説の動物写真家はヒグマに命を奪われたのか…星野道夫さんの悲劇を呼んだ「餌付けされたクマ」の怖ろしさ