「公害を減らすため」ではない
このように感じていたのは、一般人だけではなかった。
「プリウスは、所有することで自分が環境に配慮した人間であると主張できる史上初めての車だ」――ダン・ベッカー、カリフォルニア州サンディエゴにある環境保護団体シエラクラブにおける地球温暖化プログラムの責任者
2017年、ワシントン・ポスト紙のロバート・サミュエルソンは、この現象を「プリウス・ポリティクス」(プリウスを巡る社会的な駆け引き)と見事に表現し、人々がプリウスを購入したのは公害を減らすためというよりも、この車に乗っていることを周囲に見せびらかすためだったと主張した(3)。
同じ年、ホンダのCEOは「ガソリン車のシビックと見た目の差別化がほとんどないシビック・ハイブリッドを発売したのは間違いだった」と認めた。そして、それによってトヨタはハイブリッドカー競争に勝利したのである。
1.Alternative Fuels Data Center, “U.S. HEV Sales by Model,” accessed December 2, 2020, https://www.afdc.energy.gov/data/10301.
2.Micheline Maynard, “Say ‘Hybrid’ and Many People Will Hear ‘Prius,’” New York Times, July 4, 2007, https://www.nytimes.com/2007/07/04/business/04hybrid.html.
3.Robert J. Samuelson, “Prius Politics,” Washington Post, July 25, 2007, https://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/07/24/AR2007072401855.html.

