購入することで得るインセンティブ

初期の頃にハイブリッドカーを購入することを選んだ消費者は、自分が環境に配慮しており、環境への貢献のためにはお金を多めに払うことを厭わない人間であるということを周りにはっきりと示せた。そうでないなら、なぜ快適さや安全性を犠牲にしてまでハイブリッドカーを買うのだろうか。教育への投資と同様、ハイブリッドカーのコストはその価値に対して高かった。一方で、その主なメリットは環境への貢献だった。

プリウスの購入を選択することで、消費者は自分が環境のためにお金や快適性を犠牲にしても構わない人間であることを自分自身と世界に表明できた。初期のハイブリッドカーを購入するインセンティブを、図表1のゲーム木に示す。

【図表1】初期のハイブリッドカーを購入するインセンティブ
インセンティブが人を動かす』(河出書房新社)より

現在では、プリウスを買うことがこの種のシグナルを発信することはない。少なくとも、それは初期のハイブリッドカーを買ったときのような強いシグナルではなくなった。