「習慣」は強力なシステムとして機能

放っておいても勝手に身についてしまうのが「悪い習慣」だが、言葉で自分を躾けた先に手に入るのが「良い習慣」。

私たちの人生をより良いものとする意思決定を下し、その決定を自動的に行動に移させてくれるものが良い習慣。

意識による「努力」は常に感情に左右され安定しないが、「習慣」は感情に左右されない強力なシステムとして機能するものだとも言い換えられる。

習慣というシステムを構築し、自己の無意識というOS(思考回路)にインストールする唯一の手段が、言葉による躾け。

たとえば、人と接する際には常に「貢献」を意識すると決める。

たとえば、優先して「仕事」を行い、作業は最小限に留めると決める。

たとえば、「前倒し」を自分の行動の型にすると決める。

こうした自分に向けた明確な言葉は、自らの行動に関する厳格なルール設定であり、それは躾けるための基準となる。

それらの言葉を漆塗りするように、何度も何度も反復することによって、少しずつ思考習慣と行動習慣が上書きされていく。

脳は繰り返されたものしか「本気」と認識しない

その言葉が意識をすり抜け、習慣的な行動に変わるところまで、つまり無意識にパターン化されるまで、繰り返し自分に言い聞かせれば行動が変わり、やがては運命が変わり始めることとなる。

ここで学びを「漆塗り」にたとえたけれども、これは神経科学的にも筋が通っている話で、脳は繰り返されたものしか「本気」と認識しない。

矢印が書かれた多数のブロック
写真=iStock.com/Andrii Yalanskyi
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一度だけの決意や、一晩のやる気で脳は動かないし、そうすればもちろん体も動かない。

良い習慣を定着させるには、脳が「仕方ないな、そろそろ従ってやるか」と観念するまで、しつこく言葉を重ねる必要があるのである。

言葉は知っているだけでは意味がない。何度も反復し、無意識のパターンを書き換え、行動に反映されるところまで刷り込んでこそ価値が生まれる。