表に出ていない善行に言及する

ところが、日本のテレビ番組などでは、逆にヨイショ質問が多すぎる。というよりは、徹頭徹尾ヨイショ質問だけというのが圧倒的だ。これでは、先ほど説明したように「ほめ」の効果はまったく発揮できない。

大野和基『世界基準の「質問力」』(祥伝社)
大野和基『世界基準の「質問力」』(祥伝社)

相手に「ゴマすりやな」と一発で見抜かれ、端的に言えば、自分の都合のいいことしか話さなくなってしまうのである。言うまでもないが、これでは何度も述べてきた質問の目標を達成することなど到底できない。

では最後に、どのようにして効果のある「ほめ」を発することができるのか。もちろん、アドリブ力も重要だが、それとともにもうひとつ大事なのが、やはり準備である。

毎回できるわけではないし、まして相手が会社の上司など一般人なら、なかなか確認するのも一苦労だろうが、ひとつに相手のバックグラウンドを調べるというやり方がある。

たとえば、表に出ていない善行、すなわち寄付やボランティア活動などをしていたことがわかればチャンスだ。そういったことにこちらが言及すると、まず間違いなく喜ぶ。

「おお、よくご存じですね。表立っては言ってきませんでしたが、私は貧乏だったときも、毎月、チャリティに10ドル寄付していました。どれだけお金がなくてもです」という感じだ。

こういう、相手をくすぐる「ほめ」ができれば、ガードも確実に甘くなる。必然的に、望ましい答えを得られる確率も高くなるわけだ。

場の空気を一変させる強力な効果

だから、ここまで効果的でなくても、たとえば「毎日、朝早く出社してすごいですね。どうすれば続けられるんですか?」とか「部下全員の誕生日を覚えていて、メッセージを送るなんてなかなかできることじゃありませんよ。いつからこんないいことをしようと思ったんですか?」などというレベルのエピソードでもいい。

こうしたネタを、相手が「もう、面倒くさいな」「疲れたから、終わりにしたい」というような、ネガティブなムードが漂うときに投下する。そうすれば、先ほど述べたように、まさに“game changer”の役割を果たしてくれるのだ。

このように「ほめ」はTPOさえ間違えなければ、場の空気を一変させる強力な効果を発揮するのである。

CONCLUSION
ここぞというときの「ほめ」は、
力強い“game changer”となる!
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