相手に気持ち良く話してもらうにはどうすればいいか。ジャーナリストの大野和基さんは「ゆっくり話す相手と同じスピードで話すと、かえってスムーズに質問できなくなる。一方で、早いテンポで話す人には、なるべく同じようなスピードで話したほうがいい」という――。

※本稿は、大野和基『世界基準の「質問力」』(祥伝社)の一部を再編集したものです。

会議をしているビジネスマン
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ゆっくり話す相手と同じスピードで話さない

話を聞く、核心に迫る、欲しい答えを引き出す……。

この質問の最終目標を達成するため、気を配るべきことのひとつが話すテンポだ。なぜなら、相手に気持ちよくしゃべってもらうことが、先に挙げたゴールへの大きな近道になるからである。

よく、「君ってめっちゃ早口やね」とか、あるいは「あなたの話し口はエライ落ち着いてますな」などと言うように、話すテンポは人それぞれだろう。たとえば、ユーチューブなどを見ていただければわかるように、私は非常に早口だ。

反対に――比較対象として大物すぎるのは百も承知だが――アメリカの外交官、政治家として冷戦時代に活躍したヘンリー・キッシンジャーは、やはり動画を見れば一目瞭然だが、ものすごくゆっくりとしゃべる。おそらく、私とキッシンジャーの話すスピードは何倍もの開きがあるだろう。

では、ゆっくり話す相手と同じスピードで話せばいいのか。実はそういうわけではない。

当然のことながら、自分自身で普段のテンポをキープできるのであれば、気分よく相手に質問できるだろう。逆に、こちらが意図的にいつもより遅いペースで話そうすると、かえって考えをうまく言葉にできなくなる。

人間が話したり考えたりしているときに頭に築き上げる“train of thought”すなわち「思考のつながり」がなかなか自分の頭のなかで構築できない。あるいは構築できても、そのスピードと話すスピードに乖離があるため、スムーズに質問できなくなってしまう。