※本稿は、田島ヒロミ『昭和型のマネジメントは本当にもう通用しないのか』(すばる舎)の一部を再編集したものです。
「モチベを上げる意識」すらなかった昭和
昭和時代は、仕事に対してのモチベーションアップ方法は人事面での評価が主でした。今は人事面での評価だけではなく、チームメンバー個々にモチベーションが上がるポイントをマネジャーが知っておかなければ、自組織で最大の成果は出せません。
昭和のモチベーションの上げ方
昭和時代は、課長からモチベーションアップのために何か働きかけをされたかというと、思い浮かぶことはほとんどありません。
私はそのとき事務職でしたが、目の前に積まれた仕事をとにかく今日中にどう捌くかに集中していたため、取り組んでいる仕事に対してモチベーションを上げるという意識や余裕すらありませんでした。
昭和時代はIT化されておらず、事務職は銀行への入金締め切り、社内・社外に連絡する郵送便の締め切りなどや、ひっきりなしにかかってくる電話の応対のため、毎日かなり騒がしかったです。
社内も課長以上の役職者以外は暇を持て余している社員は見当たらず、みなさんバタバタと忙しそうに働いていました。社内に数台しかないパソコンやコピー機・FAXを使うため、自席に座ってゆっくりしている時間もないほどです。
そのような状況でも、昭和時代の社員の方々は会社に対するロイヤリティ(忠誠心)が高く、昇格への意識はみなさん強かったように思います。
SNSなどもなく、今と比べてまだ社員の考え方や価値観が多様化していなかったため、当時、課長の部下に対する主なモチベーションアップ方法は、人事面での評価の割合が多くを占めていたのかもしれません。
多様性を背景とした令和のモチベ管理
令和のモチベーションの上げ方
現在、私が実施している研修では、マネジャーからよく挙がる悩みのひとつが、「部下のモチベーションをどう高めるか」ということです。
この悩みの背景には、部下の属性が多様化していることがあります。定年後に再雇用された方や年上の元上司、Z世代の若手など、昭和時代と比べて年齢層の幅が広くなっており、チーム内の構成は非常にバラエティに富んでいます。
さらに、入社経路も新卒採用や中途採用などさまざまで、それぞれ異なるバックグラウンドを持っています。当然、価値観や仕事に対する考え方、将来のキャリアビジョンも異なります。
そのような環境下では、全員一律のモチベーションアップ方法はあまり効果が出ません。今のマネジャーには、部下一人ひとりに寄り添ったアプローチが求められます。それぞれの部下が何によってモチベーションが上がるのか、という“やる気スイッチ”を個別に見つけて、さりげなく押してあげることが重要です。

