※本稿は、田島ヒロミ『昭和型のマネジメントは本当にもう通用しないのか』(すばる舎)の一部を再編集したものです。
「根性・精神・質より量」昭和の営業
目標という言葉に一番敏感なのは、今も昔も営業部です。特に会社全体の数字に直結する営業部のマネジメントは、どのようにすれば最大の成果を発揮できるのでしょうか。
昭和の営業部
昭和時代の営業所は、壁に大きな棒グラフが貼られて、営業社員一人ひとりの成績が一目瞭然になっている会社も多くありました。そのため、営業成績がよい人は社内で堂々としており、逆に成績が振るわない人は、いたたまれない気持ちで小さくなってしまいます。
私が当時勤めていた営業所は、始業前に全員で社歌を歌い、所長の朝礼後、大きなアタッシュケースに資料をいそいそと詰め込み、顧客のところに一斉に出かけて行きました。
夕方に営業所に戻ってくると、すぐに所長への活動結果の報告です。今日の成果が出ていれば、みんなの前でほめられて気分が上がります。ただ、結果が出ていないと、大きな声で叱責を受けて、「もう一度訪問してこい!」と言われる光景も日常茶飯事でした。
指導方法は、根性論・精神論で、とにかく量をこなすことにフォーカスされていました。昭和時代を映すテレビドラマでよく見かける風景です。もしかしたら、令和の時代でもこのような会社が残っているかもしれません。
数字のプレッシャーがより大きい令和
令和の営業部
令和の時代においても、営業部門は会社の売上を直接つくる“最前線”であり、常に数字で評価される宿命を負っていることに変わりはありません。
むしろIT化が進んでおり、リアルタイムで業績の進捗が把握できるようになっているので、数字のプレッシャーが大きくなっていると言えます。
また顧客側も情報の入手が容易になり、昭和流の量で押し切る営業スタイルでは通用しなくなっています。営業社員は、多種類で複雑な商品を理解する力、顧客のニーズを引き出して課題解決につなげる提案力、デジタル化への対応力が求められています。
このような状況において、マネジャーは短期的な数字のプレッシャーと長期的な部下育成のプレッシャーにさらされています。特に成果が出ない部下への対応が、昭和よりもはるかに難しくなっており、悩んでいるという声が多く聞かれます。
今の時代は、成果の出せていない部下をどのようにしてマネジメントしていくのがいいのでしょうか。私が入社1年目で生命保険の営業をしていた頃の失敗話を例にしてお伝えします。

