成果が出ない要因を部下に気づかせる方法

部下が成果を出せずに悩んでいたら、マネジャーはその原因に寄り添い、本人自身に気づかせることが重要です。この“自分で気づく”ことこそが、本人にとっての成長に不可欠です。先ほど私の事例で出した昭和の所長の口調はやや乱暴ですが、令和の営業マネジャーにも求められる対話ではないでしょうか。

みなさん、もしくはみなさんの会社の営業マネジャーは、部下とどのようなコミュニケーションを取っているのでしょうか。

ここで、ある営業マネジャーの好事例をご紹介します。そのマネジャーの営業所は常に業績が良く、顧客満足度もトップクラスでした。そこで本社の営業部門がその秘訣を調べるために営業所を訪問しました。

ところが、そのマネジャーにインタビューをしたり営業所を観察したりしても、特別なことをしている様子は見当たりません。そこで、部下にあたる営業担当者にインタビューをしたところ、こんな話が聞けました。

これまでのマネジャーは会社に戻って報告するとき、「君は今日、何件訪問したのか? 何件契約が取れたか?」と数字ばかりを聞いてきましたが、今のマネジャーは、「お客様はどんな様子だった? 何か変わったことはあったか?」と聞いてくるそうです。

会議室でミーティングする3人のビジネスマン
写真=iStock.com/Yagi-Studio
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「顧客に寄り添う営業」ができるように

毎日マネジャーからお客様のことを聞かれるので、営業担当者もじっくり観察するようになり、ちょっとした変化にも気づくようになりました。

田島ヒロミ『昭和型のマネジメントは本当にもう通用しないのか』(すばる舎)
田島ヒロミ『昭和型のマネジメントは本当にもう通用しないのか』(すばる舎)

また、マネジャーにお客様のことを話しているうちに、ニーズに合った商品を自然と提案できるようになり、いつの間にか顧客に寄り添える営業ができるようになったようです。

つまり、この営業マネジャーは問う主体を「部下」から「お客様」に変えたことで、部下に真の顧客視点を植えつけました。これが好業績の秘訣となっています。

ほかにも、このマネジャーは営業目標の浸透について工夫をしているようです。上位組織(経営陣)から下りてくる年間の営業目標値については、なぜその金額なのかという意味を徹底的に考えるそうです。

会社の方針・営業所の実力・環境変化などを踏まえて、ストーリー仕立てで目標値を意味づけし、何度も部下に説明しているそうです。そこまでやってはじめて、部下が目標について腹落ちをして、達成しようというモチベーションが高まるそうです。