銀行の支店長が新人を連れていった場所

ある銀行の支店長は、営業として配属されてきた部下には必ず最初にお得意様を訪問させます。そのお得意様から、自分が勤めている銀行からこれまで受けてきた数々の好対応についての感謝の言葉を聞くことで、営業という仕事のすばらしさ、やりがいを身を持って体感させています。

お得意様であれば、自社のこれまでの対応をほめていただける可能性が高いため、新人の営業初日の最初に訪問させる(一緒に訪問する)という方法です。

そこで直接お客様から自社への感謝の言葉を聞くことで、不安に感じていた新人も「自分も喜んでもらえるようにがんばろう」という意識が芽生えやすい、という最適なマネジメント方法です。これは新人だけでなく、仕事に慣れてしまい、モチベーションが下がっているベテランの方にも有効です。

管理部門でもできる「リアルな声の共有」

日頃からお客様に直接対応している部門の方々は、このような取り組みで経験させることもできますが、管理部門の方々は直接お客様の声を聞く機会はほとんどないかもしれません。その場合は、社内でお客様のリアルな声を共有できる仕組みにすることが有効です。

田島ヒロミ『昭和型のマネジメントは本当にもう通用しないのか』(すばる舎)
田島ヒロミ『昭和型のマネジメントは本当にもう通用しないのか』(すばる舎)

私が以前に本社部門で勤務していた生命保険会社では、「保険金を受け取ったお客様からの声」を冊子にして、定期的に社内で配布していました。

当時、本社部門に勤務している人は、直接お客様とふれあう機会はありません。しかし、その配られている冊子を読むと、心が動かされて、生命保険という商品と自分の仕事について、やりがいや誇り・責任を感じることができていました。

会社全体の取り組みとして難しい場合、まずは自分のチーム内だけでもお客様からの感謝の声をリアルに共有できるような取り組みを実施してみてください。

昭和時代のように、人事面でしっかり評価することももちろん大切ですが、マネジャーが部下の“やる気スイッチ”を押してあげることで、部下たちのモチベーションは自然と上がり、チームにとっても最大の成果の達成につながっていきます。

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