「医療費」で所得税・住民税が下がることも
【小林】「給料を1カ所から受け取っている」かつ「給与所得・退職所得を除く各種の所得金額が20万円以下」の場合です。平たく言うと、「1つの会社に勤める会社員で、副業収入が20万円以下」の人は確定申告の必要なしということですね。
【梅田】では②「支払うべき税金が安くなるから、確定申告をしたほうがお得」なケースとは?
【小林】たとえば「年末調整で手続きできない所得控除があるとき」ですね。一例は「医療費控除」。「医療費控除」とは所得控除のひとつで、一定額以上の医療費を年間で支払った場合に医療費控除を申告すると、納めた税金の一部が戻ってくる場合があります。ただし、自分で確定申告することが条件です。
【梅田】それって、支払った医療費がそのまま戻ってくるってことですか?
【小林】いいえ、「支払った医療費に応じて税金を計算し直す」という仕組みです。たとえば、梅田さんが病気やケガをして、医療費が1年間で総額20万円かかったとします。医療費控除の申告をしたからといって「そのまま20万円」が返ってきたり、所得から引かれたりするわけではありません。「『医療費の一部』を医療費控除として所得から差し引いて、納税額を減らしますよ」という仕組みです。
【梅田】つまり、僕が病院で医療費を払うとその分税金が少なくなるけど、決してお金が満額戻ってくるわけではない……
実際の節税効果を試算してみると
【小林】そうです。ちなみに医療費控除の申告は「世帯ごとの計算」になります。生計が同じなら同居は要件ではないため、一人暮らしをしている大学生のお子さんや単身赴任中の父親の分だって控除対象に含まれます。共働き世帯の場合は、収入がより多い人に一家の医療費を集めて申告するほうが通常はお得です。収入が多い人のほうが税率が高く、節税効果は高いですからね。
【梅田】ぜひ申告したいですが、具体的にどれくらいの医療費を払ったときに使えるんですか?
【小林】医療費控除の場合、「所得金額200万円」がボーダーラインとなります。所得金額が200万円未満の場合、医療費から「所得金額の5%」と保険金などによる補てんを引いた金額が医療費控除として認められます。一方、所得金額が200万円以上の場合、医療費から10万円と、同じく保険金などによる補てんを引いた金額が医療費控除として認められます。
【梅田】うーん……具体的にどれくらいの節税になるのか、ちょっと計算していただいてもよいですか。
【小林】たとえば、所得が400万円の人が1年間で15万円の医療費を支払ったなら、医療費控除は15万円−10万円=5万円ですよね。ここに税率を掛けると節税効果がわかります。所得税の税率は5〜45%なので、仮に20%なら、5万円×20%=1万円分の節税効果があるということですね。
【梅田】思ったより少ない気がしますね……。ちなみに医療費って「インフルエンザの予防接種」とかも含まれるんですか?

