EV逆風でも企業価値「トヨタの4倍」のワケ
「テスラなんて私には関係ない」
大半の日本人はそう考えていると思います。でも5年後のあなたの人生にものすごく大きな影響をもたらすとしたら? 読んだ時間を損はさせないのでこの記事をぜひ読んでみてください。
直近のテスラの時価総額は約200兆円。世界的にEVに逆風が吹いていて納車台数も減少したにもかかわらず、テスラの企業価値はトヨタの約4倍と投資家は依然、非常に高い評価をしています。
実はアナリストの分析を総合するとテスラのEV事業の価値は全体の25%程度でしかありません。金額にすればおよそ50兆円でこれはトヨタの時価総額とほぼ同じ水準です。
では投資家はテスラの何を評価しているのかというと、今の企業価値の約半分は今年量産が開始されるロボタクシー事業、そして10~20%はやはり今年の年末に本格稼働が始まると期待されているヒト型ロボットのオプティマス事業の価値、つまりテスラの未来についての期待の分なのです。
天才起業家といわれるイーロン・マスクがぶっ飛んでいるところは、未来のトレンドを読む力にあります。
本当であれば企業の柱であるはずのEV事業では高級車のモデルSとモデルXの生産を終了させて、その工場のキャパシティをまだ開発途上のヒト型ロボットの生産に振り向けたことに世界中の投資家が驚愕しました。
そしてこれは「テスラなんて関係ない」と考えているわたしたちにも大きな影響を与える意思決定です。
「使い物にならない」が劇的に変わる日
今年はAI界隈では「フィジカルAI元年になる」と言われていて、それまで生成AIに向かっていた投資が、今年は一斉にフィジカルAIに向かい始めました。
よく中国のハイテクショーでヒト型ロボットが展示されて話題になっていますが、あの実用化に向けて世界が動き出しているのです。
フィジカルAIでは日本も2040年に世界シェアの3割を確保すると息巻いていますが、現実的には中国とアメリカが先行しています。その先行組にテスラのオプティマスも入っています。
時間軸を少し先に進めて2030年ぐらいの未来がどうなっているかを考えてみましょう。
その時代、おそらくChatGPTが出現した3年前と同じような「騒ぎ」が起きるはずです。どんな騒ぎかというと、それまで富裕層のおもちゃで使い物にならないと思われていたオプティマスの性能が「急に凄くなった」と言われ始めるのです。
たとえば来年あたりに富裕層が試しにテスラのオプティマスを購入したとして、家の中での使い道は床にモップをかけさせるか、玄関の置き配を部屋の中に運ばせるぐらいでしょう。
使い物にならない理由は、フローリングワイパーのシートは人間がセットしてロボットに渡さなければいけませんし、持ってきた段ボール箱を開くのも人間でないとできないからです。今年や来年前半の時点ではロボットの指先はまったく使い物にならないレベルにしか到達できません。
ところが2030年にそういった評判ががらりと変わります。

