寝ているだけで月30万円入ってくる

役に立たないオプティマスも数カ月ごとにソフトウエアアップデートされて徐々に性能が上がっていくのですが、初期ロットを購入して3年後、その性能が突如爆上がりします。

指先が器用になってオプティマスが自分で封筒を開封したり、床に落ちている細かいゴミを拾ったり、ガラスのコップを洗っても割らないようになります。これはフィジカルAIの機械学習がある閾値を超えると起きる現象です。

そうなったときに私たちは初めて気づくのですが、オプティマスはそれまで指先が不器用だっただけで、頭は人間よりもいいのです。

なにしろ頭脳はChatGPTやジェミニと同じレベルのAIが搭載されているのです。つまり指先の不器用さがなくなった瞬間、オプティマスはわたしよりも優れた働き手になるのです。

ベッドわきの目覚まし時計は6時15分を指している
写真=iStock.com/RyanSebastyan
※写真はイメージです

私が仮にそのような富裕層だったとしたらどうするでしょうか?

まず最初にやることは夜の間、オプティマスを働きに出すことです。近所にコンビニがありますから、そこで働かせれば時給1200円ぐらい稼いでくれそうです。

家族が寝ている深夜0時から朝8時まで働かせて、朝、私が起きる頃に帰宅するとします。毎日、寝てる間にオプティマスが1万円、1カ月で30万円稼いでくれます。ここがフィジカルAIのいいところで人間と違ってほぼ24時間稼働してくれます。急速充電に30分ぐらいかかるかもしれませんが、誤差範囲内です。

「いや、そんな便利な機械ならあなたよりも先にコンビニが購入するだろう」

と思いますよね。

コンビニや24時間稼働の工場ではそうかもしれません。しかし現実の職場にはそうではない場所の方が多いのです。

便利なのに自前で導入しないワケ

たとえば工事現場にオプティマスを入れようとしても夜間は無駄ですし、夜間警備の現場では昼間のシフトにオプティマスが不要だったりするわけです。

ですから多くの職場ではオプティマスを自前で購入し導入するのではなく、人間と同じように給料を払ってその時間だけ働かせるようになります。オプティマスのオーナーにとってはオプティマスを所有することでお金を稼ぐことができる未来がやってきます。

この点でもうひとつ重要なことは、テスラを含め世界中のフィジカルAIの製造能力がそれほど大きくはないことです。人類は80億人いますが、ヒト型ロボットの生産能力はこの時代、せいぜい年間1000万台程度でしょう。ですから能力の高いロボットは労働市場ではひっぱりだこになります。

仮に売りに出された役にたたないヒト型ロボットが1台1000万円ぐらいだったとして、それが2030年頃のある日、突然年間で360万円ぐらいお金を稼いでくれるように変わるとしたら、それは富裕層にとって悪くない投資だったといえるようになるのではないでしょうか。

これから5年もすると人間よりも性能のいい働き手が職場に入り込みはじめます。

これは読者のあなたにとっても「自分に関係する未来」といっていいのではないでしょうか。