メガネチェーン「OWNDAYS(オンデーズ)」会長の田中修治さんは、眼鏡市場やJINSといった業界大手に立ち向かうべく、あえて「陸の孤島」と呼ばれるような地方の僻地へ出店し、業績を伸ばすことに成功した。一体どんな狙いがあったのか。田中さんの著書『社長がつまずくすべての疑問に答える本』(KADOKAWA)より、2008年の事業再建当時の事例の一部を紹介する――。
眼鏡市場、JINSに相手にすらされなかった
Q.経営資源が限られた中小企業は、どうすれば大手と同じ市場で戦えるのでしょうか?
A.「ゲリラ戦」に絞って戦うべき
A.「ゲリラ戦」に絞って戦うべき
個人商店や中小企業が大手に勝つ戦い方は「ゲリラ戦」に絞るべきです。大企業ができないこと、やらないこと、スピード感や柔軟性、顧客との密な関係構築など、個人店や小規模事業者ならではの強みを突き詰めていくことが重要です。
僕の経験でも、競合相手との企業規模が3倍以上違うと、ビジネスモデルを分析しても、それに基づく戦術はあまり意味を持ちませんでした。社長就任直後のオンデーズは、JINSさんやZoffさん、さらに当時、最大手の眼鏡市場さんにも戦いを挑んでいましたが、正直全く相手にすらされていませんでした。
そこで僕が取った最初の戦略は局地戦に徹することでした。市場が小さく、大手チェーンが出店していないエリアを探し、そこにピンポイントで出店し地域ナンバーワンを取りにいく。これが唯一できたことでした。
あえて「陸の孤島」と呼ばれる場所に出店
実際に、オンデーズは僕が社長になってからすぐに、東京や大阪などの大都市に出店を重ねたのですが、そこはすでに大手チェーンの独壇場で、知名度もなく、品質にも劣る当時のオンデーズでは消費者から見向きもされず、そのほとんどが失敗に終わりました。
そこで戦略をがらっと変え、徹底したゲリラ戦を展開することにしたのです。
具体的には、当時、競合他社が出店していなかった地方や海外の小さな市場を狙って出店を進めたのです。同時の社員の多くが「なんでそんなところに出店するの?」と疑問に思うような場所ばかりでした。沖縄、福岡、そして東南アジア。それも沖縄であれば、最初の出店場所は、那覇ではなく、北部の名護市、関西で陸の孤島と呼ばれていた兵庫県の豊岡市、福岡は博多ではなく北九州市といったところです。
結果として、いまオンデーズのシェアが圧倒的に高い地域は、まさにそうした“無風帯”に先回りして旗を立ててきた場所ばかりです。

