「買うのに時間がかかる」が購入を思いとどまらせていた
2つ目は、購入時のペインポイント(顧客が抱える不満・不便・悩み・ストレス)の解消です。
メガネの購買体験全体を見直すとたくさんの「面倒」「わかりづらい」「不安」「不満」が存在していることに気づきました。特に大きかったのが「買うのに時間がかかる」という点でした。
本来、お客様はもっと多くの場面でメガネを購入したいと思ってくれていたのに、「メガネは買うのに時間がかかる」という常識が大きな不満となり、購入を躊躇するボトルネックになっていたのです。このボトルネックを解消するために、購買体験にかかるすべてのオペレーションを見直し、1分1秒単位でお客様をお待たせする時間を削減していきました。
このように購買体験に伴うネガティブな要素を徹底的に潰していくことで、買おうと思ったときに、迷わず、ストレスなく買える状態を実現していきました。
この2つのポイントを押さえることで平均購入頻度は、創業当初の1年に1本から、1年に2本まで増やすことに成功しました。購入頻度が2倍になるということは、単純計算で売上が2倍に増えるということです。店舗を2倍に増やすことや、単価を2倍にすることを考えれば、どちらが簡単でリスクが少なく、利益を出しやすいかは一目瞭然でしょう。
売上を2倍にしたければ、購入頻度を倍にする。シンプルに言えば、「買ったばかりでも、また欲しくなるような商品を出し、誰でもいつでも、すぐ買えるようにする」ということです。
差別化は作るものではなくにじみ出てくるもの
――競合との戦いで他に気をつけることはありますか?
ここで大事なのは、「競合をあまり意識しすぎない」ということです。
業界内で同じような商品を扱っていれば、ある程度、価格帯や店舗の設計、商品ラインナップ、サービスのスタイルなどは似通ってきます。それは仕方ないし、むしろ自然なことなのかもしれません。現にコンビニの大手3社は、どこも同じような商品構成、店内レイアウト、サービスを提供しています。家電量販店、大型ショッピングモール、牛丼チェーン、回転寿司、どの業界でも同様の傾向が見て取れます。
「競合と被るからこのレイアウトはやめよう」「この看板の出し方も避けよう」……そうやって頑張って自ら“違い”を作り続けた結果、何屋かわからない店になってしまい、せっかくの強みが失われ、競争に敗れて消え去っていく例は枚挙に遑がありません。
差別化というのは、最初から競合を意識して作るものではなく、自分たちの強みや世界観を突き詰めた結果として“にじみ出てくる”ものでなければいけません。
