オールドメディアvs.ネットメディア
先の分析では性別、年代別での分析を行いました。メディア利用についても層別の違いはみられるのですが、先の分析に比べるとその違いはさほど大きいものではなかったため、層を分けずに分析した結果を右派市民・左派市民ともに示しています(図表1)。空欄になっているところは、全体との差があまりみられませんでした。
先に、左派市民について簡単に確認しましょう。左派市民は、新聞、本・雑誌によって情報を入手する傾向がみられます。新聞は非‐愛国主義者と親左主義者で際立って活用されていることがわかります。本・雑誌は左派市民のすべてのタイプで活用されていて、彼らは活字メディアに親しむ「知識階級」だといえるでしょう。
一方、左派市民はテレビを忌避する傾向があります。テレビを観ないというわけでもないでしょうが、政治や社会の問題を考えるにあたってはあまり有用でないと考えているようです(もちろん、テレビを観ないことによって左派的な志向が極まっていくという逆の因果で解釈することも可能です)。
左派市民はインターネット利用についてはあまり明確な特徴はありません。ただ、表からは読み取れないのですが、高年層の左派市民は同年代と比べるとネットをよく使いこなしているようです。
“愛国”と“反左”が多用しているインターネット
さて、右派市民はどうでしょうか。「ネット右翼」という用語が普及しているように、インターネットとの親和性が強いというイメージがあります。インターネットの情報のみに依存する人たちが右派的な志向を極めてしまう、あるいはマスメディアの情報に飽き足らずにネットで情報を掘り下げようとする、といったことが想定されています。前者は批判的な立場、後者は共感的な立場からの解釈といえるでしょう。
解釈の妥当性はともかく、表をみる限りでは、左派市民よりもネットの活用の程度は大きいようです。伝統主義者の利用が少ないようにみえますが、これは、このタイプに高年層が多いことによるものです。とくに、ブログやまとめサイトは年代によらず、広く活用されていることがうかがえます。
ネット利用は愛国主義者と反左主義者でとくに多いようです。一般的には嫌中・嫌韓の排外主義者がネットの影響を強く受けているイメージがあるように思いますが、ほかと比べるとそれほどでもありません。

