中学受験をする意義は何か。プロ家庭教師集団名門指導会代表で、40年以上にわたり中学受験生の指導をしてきた西村則康さんは「中学受験に挑戦する意義は合格という結果よりも、勉強をしてきた過程にある。第1志望に合格できなくても、楽しい学校生活を送ることはできる」という――。
勉強する子ども
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第1志望校に進学できる子は全体の約3割

2026年の中学受験が終了した。晴れて第1志望校に進学することになった子、惜しくも第2、第3志望だった学校に進学することになった子、まったく予想外の学校へ進学することになった子などさまざまだろう。中学受験の成功を「第1志望校に合格すること」と捉えるのであれば、第1志望校以外の学校へ進学することになったのは、残念な結果かもしれない。

しかし、私はそうは思わない。なぜなら、中学受験の挑戦においては、「合格」という分かりやすい結果よりも、それまで「どのように勉強をしてきたか」という過程のほうが遙かに重要だと思っているからだ。

中学受験は、その子の長い人生から見れば、1つの通過点に過ぎない。難関校に合格したからといって、その子の幸せが保証されるわけではないし、第2、第3、またはそれ以降の学校に進学することになっても、悲観することはまったくない。実際、中学受験で第1志望校に進学できる子は、全体の約3割と言われている。大事なのは、これまでの親のサポートから離れて、自分の力で学ぶ力をつけていく「これから」だ。

「誰が励ますか」がポイント

そうはいっても、目標に掲げていた学校が不合格だったという現実には、どんな子でもショックを受ける。ここで大事になってくるのが「誰が励ますか」だ。親としては、なんとか前を向いてほしいと、「今まで本当によく頑張ったね」「今年の入試問題が難しすぎたのよ」など、あれこれ労いや励ましの言葉をかけたくなるが、どんな言葉を尽くしても、親からの声かけではなかなか気分が晴れないことが多い。もちろん、素直に受け止める子もいるが、子供によっては、余計に心を乱してしまうこともある。

そういう事態を予測して、ぜひやっていただきたいのが、「誰が励ますか」の人選だ。最もふさわしいのは、子供が心から信頼している人。例えば、塾の先生であったり、家庭教師であったり、これまで中学受験をサポートしてきた大人の中で、「この人の言うことなら、素直に耳を傾けられる」という人に、お願いするといいだろう。

そのとき、次の2つのことを伝えてもらうようにする。1つは、その人(例えば先生)から見た、これまでのわが子の頑張りを伝えてもらう。これは誰にでも当てはまりそうなありきたりのことではなく、その子ならではの頑張りにスポットを当てることが大切だ。もう1つは、「今後が大事」であることを伝えてもらう。これも一般論ではなく、具体的に何をすればよいか教えてあげるといい。