テレビの「政治ネタ」がガラリと変わった
異例ずくめの高市解散である。
60年ぶりとなる通常国会冒頭での解散。非難轟々の真冬の選挙。戦後最短となる選挙期間……。さまざまな表現で解散報道が出ると、テレビは高市政権および自民党の扱いを急増させ、ありえない奇襲作戦は政権にとって狙い通りに進むかに見えた。ところが立憲と公明が新党「中道改革連合」を結成すると、“どんでん返し”が起こった。
異常事態の中で始まった第51回衆議院選挙。テレビは「選挙戦開始まで」をどう伝えたのか。そして、それは2月8日の結果にどんな影響を与えうるのか。
高市首相の思惑
今回の解散・総選挙は、首相本人が主導した“短期決戦・信任獲得型の賭け”と評されている。
「今なら勝てる」「時間をかけると不利」という思惑から、異例ずくめという批判を跳ねのけて強行されたと位置付けられているからだ。
参考になるデータのひとつは、NHK世論調査の「内閣と自民党の支持率推移」だ。
原則的に毎月第1週か2週目の金~日に実施している調査だ。これを過去2年ほど振り返ると、岸田文雄政権後半と比べると、石破茂内閣は平均値で10ポイントほど高くなった。高市政権はその石破内閣よりさらに25ポイントも高い船出となった。稀に見る盤石な船出だった。
ただし気になる点が2つある。
まず、内閣支持率が高くても、自民党支持率に変化がない点だ。これについての解釈は諸説あり得るが、やはりボディブローのように効いているのは「政治とカネ」の問題だろう。
高市首相本人は、資金スキャンダルの直接的な当事者ではなく、むしろ「クリーンさ」をこれまでは売りにしてきた。政権発足後も、「安全保障」「経済」「リーダーシップ」を前面に押し出した政権運営をしてきている。
それでも「政治とカネ」の問題は、なかったことにはならない。
有権者からは、“自民党全体の体質”として不信感が拭えない。無党派層も内閣支持と異なり、自民党は支持できないなど“寡黙な離脱”が続いている。高市内閣と自民党との間で支持率の乖離が大きすぎるゆえんである。
もうひとつ気になる点がある。


