取引先に出向：「お客さまの悩み」に気づかされて　－りそなホールディングス社長 東 和浩氏

――公的資金は、完済できるのか。

【東】公的資金注入以降、財務部長になって、その瞬間からずっとどうやって返そうかとばかり考えてきた。グローバルマーケットできちんと格付けを上げて、銀行としての信用力を取り戻し、海外できちんと資金調達できるような体力を早くつけたかった。すべてが計画的通りにできてはいないが、今では海外での資金調達力もついてきた。公的資金も大幅に返済して残りは7724億円だ。時間的に大変だと指摘されてきたが、私の頭の中ではきちんと順番を考えてやってきた。ようやくあと5年で返せるとまで言えるようになった。ただ「新しい金融サービス業」の実現までには通過点にすぎない。